音楽家「高橋健」のベルリン移住日記

2年間で世界5周の旅を終えて、起業家から音楽家へ転身。ベルリンの魅力や海外旅行・海外移住の方法・心構えなどを発信中。

ベルリンクラブガイド2015。Berghain,Panorama bar, Watergate, Tresor...

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ベルリンに来てクラブに行かないのは

パリに来てルーブル美術館に行かないようなものだ

 

というのは常々私が考えていることですが

今日は夏間近ということでベルリンのクラブについて

「少しだけ」お伝えしたいと思います。

 

まずは大前提としてベルリンのクラブカルチャーが

現状ではどうなっているのかを簡潔に私見を交えながら

お伝えしたいと思います。

 

現状、ベルリンは世界でも有数の勝ち組都市だと言えます。

 

何よりの証拠が「人材流入」でして

ベルリンの街の魅力を聞きつけて実際に訪れた人が

その後に実際に移住してくるというケースが増加しています。

 

これは私もその一員でして世界中を旅する中で

3度のベルリン訪問の上、熟考を重ねてベルリン移住を決めました。

 

もちろん、EU圏の若者はシェンゲン協定に守られていますので

シェンゲン圏内は自由に移住することが出来ます。

 

だから、もっと「ライトな移住」が可能なわけですね。

 

その結果、何が起こっているかというと

家賃の高騰、部屋不足、物価上昇などが起こっているわけです。

 

しかし、世界の主要都市に比べれば

ベルリンの家賃相場は6割程度ですので

まだまだベルリンは住みやすいと言えます。

 

そんな背景を掴んだ上でクラブカルチャーがどうなってるかを見て欲しいのですが

観光客で溢れかえっています。

 

週末の有名クラブは観光客が8割であることもざらです。

なぜ、観光客かどうか見分けがつくかというと

ベルリナーというのは独特なのです。笑

 

ベルリナーは暗黙の了解のようなファッションセンスと雰囲気があります。

これはドイツ語を話せるのかというのは関係ありません。

 

だから同じトルコ系でもベルリン在住のトルコ人と

イスタンブール在住のトルコ人では雰囲気が違うのですね。

 

ここらへんは実際にベルリンに住んでみないと分からない点です。

 

話を元に戻しますが

観光客が増えるとどうなるかというと

ベルリナーはあまりそのような観光客クラブに行かなくなります。

 

ベルリナーの音楽好きは異常とも言うべきで

実際にみんな音楽を愛している人がとても多いです。

 

音楽のジャンルに上下はないと個人的には感じていますが

ベルリナーは現代音楽の先端の1つを形成していると思います。

 

クラブカルチャーで有名なのは

ロンドン、イビザ、バルセロナ、デトロイト、シカゴ

あたりだと思います。

 

例えば、この中でもイビザは完全に観光客クラブカルチャーですよね。

「みんなが知っている曲をみんなで聞く」というのが

観光客クラブカルチャーです。

 

よりメジャーでポップな感じになってきます。(今ならEDM)

イビザはイビザで素晴らしいクラブカルチャーと歴史的背景がありますし

私も行けば行ったで楽しめます。

 

何度も言いますが、音楽のジャンルに上下はありません。

あくまで特徴を理解して「自分が楽しめるか」を

追求していくのが大事だと感じています。

 

対してベルリンは元々は観光客クラブカルチャーではないのです。

 

ベルリンの壁崩壊後の所有者の分からない空き地や空きビルで

グレーゾーンのパーティーをやっていたのが

ベルリンカルチャーの始まりです。

 

www.youtube.com

 

上記のYoutubeはベルリンの有名クラブの1つ

Tresor(トレゾア)の歴史を伝える動画です。

 

実際にTresorが壁崩壊後からどのように出来ていくのか

Tresorのオーナーが説明してくれています。

 

Berlinに来るのであれば是非見ておきたい動画の1つです。

 

動画を見てもらえれば分かりますが

ベルリンのクラブはいわゆるローカルな人達が

独自の音楽を作り上げていった感じです。

 

「みんなが知らない音楽をローカルなみんなで聞く」のが

ベルリンです。

 

ベルリンの壁崩壊は25年前ですので

当時の世代とは既に世代交代が行われていますが

ベルリンというのは「ローカル」を好む傾向にあります。

 

では「ローカル」とは何なのでしょうか?

 

ベルリン生まれ?

ドイツ人?

ドイツ語が話せる人?

 

私がベルリンに住んで感じた「ローカル」というのは

「ベルリンカルチャーに理解して尊敬の念を持ち

自分の中に取り入れている人」だと感じました。

 

実際にベルリンで「ベルリン生まれベルリン育ち」の人と会うのは

極めてまれです。

 

ドイツ人以外だったりドイツ語を話せなくても「ローカル」な人は

たくさんいます。

 

では、ベルリナーは排他的なのかというと

そうでもないと言えます。

 

なぜなら、多くの「ローカル」はベルリン生まれでもベルリン育ちでもないわけで

観光客→移住検討者→移住者

という過程を自らも踏んでいるからです。

 

大事なのは

「ベルリンカルチャーに理解して尊敬の念を持ち

自分の中に取り入れている人」になろうとすることかなと思います。

 

じゃあ、どうやって理解するんだと言えば

まずはYoutube動画を見るのがいかがでしょうか。

 

先程のTresorの動画はマストですが

以下の有名クラブWatergateの10周年記念動画もいいです。

 

www.youtube.com

 

Tresorは地下フロアでゴリゴリのテクノが有名で

最近は二階のフロアを改装しておしゃれなハウスも流すようになっています。

 

Watergateは川沿いに面していることもあって

都会的でおしゃれな感じです。

基本はハウスメイン。

 

Watergateは観光客8割の箱ですが

ベルリンのクラブ入門としてはオススメと言えます。

 

極稀に「何しにきたの?」みたいにセキュリティに言われることがありますので

DJのラインナップを見ておいて「〜〜のプレイを聞きにきた」と

言えるようにしておくといいと思います。

 

後述するBerghainほどではありませんが

Watergateも1〜2割は入れてもらえない人がいます。

 

・Berghain,Panorama bar

 

ベルリンを少し調べたり噂を聞いたりしたことがある人なら

Berghain,Panorama barの存在を聞いたことがある人は

多いと思います。

 

参考リンクを貼ろうとしたけど、情報が古かったり

上手くまとまってるものがないので

あまり参考にならないかもしれませんが。。。

 

Berghain Berlin

 

上記がBerghainを経営するOstgutレーベルのHPです。

基本的に週末は30〜36時間営業です。

ここでタイムテーブルを確認しておきましょう。

 

Berghainに見るベルリンのクラブファッション | 繊研プラス: ファッションビジネス専門紙、繊研新聞

 

どんなファッションがいいのかヒントを与えてくれてますね。

おしゃれじゃない人ほど、全身黒が間違いありません。

 

恐らくほとんどの人が本当にBerghainに入れるのか?

というわけで当ブログに辿り着いてるわけですが

完全に「運」だと思って頂いて大丈夫です。

 

私も観光客時代に3回中1回弾かれました。

ベルリンに来てからは去年1回だけかな。

 

今は普通に入れるようになりました。たぶん。。。

 

Berghainの素晴らしさは観光客が年々増えるベルリンにも関わらず

「ローカル」歓迎の姿勢を貫いてるところです。

 

中に入れば分かりますが

Berghainが世界最強のクラブだということが分かるかと思います。

 

その理由は「人」と「音」。

 

BerghainはBerghainにそぐわない人というのが

ほとんど見当たりません。

 

皆、Berghainらしさを持っています。

それは何かといえば先程話した「ローカル」であることです。

 

いわゆる、「騒げればいい」というノリは皆無で

皆、高級レストランに来ているかのように

おすまししています。

 

ベルリンフィルハーモニーに行くのと変わらない気持ちで

オーディエンスが来ているわけですね。

 

ではなぜかといえば、Berghainのセキュリティが

7割の「Berghainらしくない人」を弾いているからです。

 

何度も言いますが音楽のジャンルに上下がないのと同様に

観光で来ることが悪いわけではないですし

Berghainに入れなかったからといって失望する必要もありません。

 

結局はセキュリティの判断なので運です。

 

昨年、ベルリンファッションウィークなど多くのパーティーに行きましたが

Berghainのパーティーは客層が少し違います。

 

オシャレの定義が少し違うというか

カッコイイんですよね。

 

決して商業主義に毒されていない

オーガニックなカッコよさがBerghainにはあります。

 

そして、音質・サウンドシステムも最高で

まるでテクノの海で泳いでいるかの錯覚に陥ります。

 

今はTomorrowlandやUltraに代表される移動型のフェスが旺盛ですが

今のセキュリティの方々がいる限り

Berghainが衰退することはないと思います。

 

Berghainのセキュリティというのは世界でも稀に見る

高尚で難しい仕事の1つだと思います。

 

カルチャーを維持する為に勇気を持って

ゲストを弾くのはなかなかできることではありません。

 

では、Berghainに入れるようになるにはどうすればいいかと言えば

ベルリンに住んで何回もBerghainに通うことです。

 

ベルリンに住むことが「ローカル」になる近道ですし

ベルリン愛のある人をベルリンも求めているんじゃないかと思います。

 

私がBerghainが大好きなので

Berghainの説明が長くなってしまいましたが

Berghain,Panorama bar, Watergate, Tresor...以外にもクラブは山ほどあります。

 

観光客が多いクラブを避けたローカル達は

どんどん別のクラブに行くわけですね。

 

ここでいくつかのクラブを紹介したいところですが

よりローカルなクラブは是非ご自身で探ってみるのがいいかと思います。

 

それがベルリンの楽しみですし

素晴らしいクラブを見つけた時の感動は

素晴らしいビーチを見つけた時の感動のようです。

 

日本語のベルリン記事ではほとんどないと思います。

だからベルリンに来てベルリナーに聞いてみて下さい。

「どこのクラブがオススメ?」って。

 

みんな嬉しそうに答えてくれると思います。

それがベルリナーですから。